テレビ映像部会 第56回特別部会 報告

日時:2014年11月14日(金)

会場:ホテル ライフォート札幌

参加者:56名

 
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司会:堤 副部会長

テレビ映像部会第56回特別部会は、11月14日(金)に札幌市のホテルライフォートで行われた。今回は北海道支部(石田雅年支部長)の当番幹事で、映像技術賞受賞作品である「みんなの学校」(関西テレビ)の撮影報告、及び講演「写真は光の画~自然の伝道者師、次に何を撮るのか」と、加えてInter BEE直前情報をメーカーの担当者から報告いただくという企画もあり、密度の濃い充実した内容となった。

◆はじめに
 
部会は堤康彦副部会長((株)TBSテックス)の司会で進められ、冒頭に米川一成部会長((株)フジテレビジョン)の開会挨拶、続いて掛田憲吾常任理事(クロスコ(株))から、Inter BEEの会場で行われる情報発信ステージの概要等が説明された。

 
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挨拶:米川 部会長
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挨拶:掛田 常任理事
 

◆講演:映像技術賞受賞作品(ドキュメンタリー)
「みんなの学校」撮影報告
講師:大窪 秋弘 氏(関西テレビ放送(株))
 

講演:大窪氏

「みんなの学校」オープニングタイトル

「みんなの学校」は、”みんながつくる みんなの学校 大空小”に通う様々な問題を持つ子供達と、それを支える教職員達、そしてその周囲の子供達に1年間密着して撮影し、素の学校の姿がカメラを意識させない絶妙の距離感で表現された優れたドキュメンタリー作品である。今回は、最初に視聴を行い、その後大窪氏に登壇頂き講演が始まった。

「自分が作りたい学校はたった一つ、すべての子供に居場所のある学校を作りたい」と話す木村泰子校長からは当初、「取材はしても良い。子供達のためになるならば。」と言われ、ボランティアである事を求められたとの事。取材する側にしても、子供達と教職員との信頼関係の中に、自分達を入れてもらいたいという思いがあった。

同行した修学旅行において、逃げ出した時の対応スタッフに大窪氏の名が連ねられるというエピソードからも、学校とカメラマンの信頼関係の深さが伺える。また、取材を受け入れてくれている人達に後ろめたい印象を与えたくなかったという理由から、本作品ではモザイク処理は一切行っていないとの事だが、この事も、被写体との距離は人と人との距離感であるという大窪氏の言葉を裏付ける。

大窪氏曰く、発達障害の子供には最初はそろりそろりと近づき、嫌われたら終わってしまうので近づかない勇気も必要で信頼されたら近づくとのこと。講演の終わりには、本作品を110分の上映版に再編集し、東京と大阪で公開予定があることも紹介頂いた。この上映版には、今回の放送版には含まれていない修学旅行のシーン等も含まれているという。

150日程の取材を通して、大窪氏を含めたスタッフと学校との信頼関係がいかにして築かれていったかが良くわかる内容で好評だった。

 

◆講演:写真は光の画~自然の伝道師、
次に何を撮るのか。
講師:奥田 實 氏(写真家)
 
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講演:奥田 氏
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特に「生命樹」はこれまで、誰も思いつかなかった写真作品(コラージュ作品)ということで、その切抜きの作業なども紹介された。このトリミングについて、「身近にある小さな世界から大きな世界をイメージさせるのは写真家冥利につきる」とのコメントは印象的である。また誰でも撮れてインターネットで発表出来てしまう環境の中で、プロカメラマンの味付けが出来てこそプロの居場所があるとの事。

一部、奥田氏の幼少期のお話しも伺うことができ、また書籍にする上で文字との関連の話など興味の尽きない講演であった。

 
◆プレゼンテーション:Inter BEE 2014 直前最新情報!
プレゼンター
古山 悟 氏  アストロデザイン(株)
絵本 直樹 氏  キャノンマーケティングジャパン(株)
永田 雅之 氏  ソニービジネスソリューション(株)
櫛引 則彦 氏  (株)テクノマウス
新留 洋見 氏  (株)ナックイメージテクノロジー

干鰯谷 拓也 氏 報映産業(株)
 
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プレゼンテーション司会:
干鰯谷 氏

3番目として、次週に幕張メッセで行われるInterBEEの直前情報を、出展されるメーカの担当者から説明頂いた。

このプレゼンテーションは、干鰯谷氏の「4k/8kがもう目の前にある」との流暢な司会で始まり、各社共に短かい時間ではあったが、InterBEEの「見どころ」を伺うことが出来た。特に4k/8kファイルベースソリューションについては、本格的な放送に向けての製品、特に周辺機器も充実してきているとのことで、各社の意気込みと勢いが感じられる内容であった。

最後に、毛塚善文事務局長から今後の活動方針についての挨拶があり閉会した。

 

その後、鈴木武司幹事(HTB映像(株))の司会により、参加者の懇親会が行われ、石田雅年北海道支部長((株)札幌映像プロダクション)に挨拶を頂いた。

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懇親会司会:鈴木 氏
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懇親会挨拶:石田 氏
 

当日は、本格的な雪シーズンには早いはずであったが、積雪10cmとなる悪天候の中での開催にもかかわらず、50名を超す参加者を得て盛況のうちに終了した。

最後になりましたが、今回の特別部会開催について、講演を快く引き受けて頂きました大窪氏、奥田氏はもとより、プロジェクター等の機器を提供頂いたメーカー、代理店各社様のご支援と、開催に向けてご尽力下さった石田支部長他協会各位に心より感謝いたします。

尚、今回で56回を数えたテレビ映像部会特別部会は、各支部のご協力により長きに亘り開催をしてまいりましたが、今回でファイナルとなりました。部会は、新年度より新たな活動に向け運営をして参ります。今まで同部会にご協力ご指導を賜りました方々にこの場をお借りし御礼申し上げます。

 
【副部会長:佐竹 忠臣(テレビ東京)】