MPTE基礎技術セミナー "今さら聞けない"シリーズ第1回 「映像の基礎」 報告
今回は映像制作現場で活躍されるエンジニアの皆様とこれから映像業界を目指す学生さんを対象に、MPTE基礎技術セミナーを開催しました。
“ハイビジョン番組制作の生みの親”である元NHK放送技術局長、現 東海大学工学部非常勤講師の出口 忠夫氏をお招きし、映像のしくみと知っておくべき画像処理の原理について詳細に解説して頂きました。
日 時 :2016年9月8日(木) 15:00~17:00
会 場 :デジタルハリウッド大学
テーマ :『映像の基礎~映像の仕組みと知っておくべき画像処理の原理~』
参加者 :91名【第1部】映像信号の仕組み カラーカメラの原理
第1部はテレビはなぜ映るのか、という光電変換の話から可視光の波長、色の三要素、光の三原色から様々な色はどのようにして作り出されているか、といった色の再現性の原理を、色度図も用いながら説明して頂いた。
カラーカメラの原理に関しては、光電変換ブロック、撮像素子の種類と原理について分かりやすく説明して頂いた。その後は、光が電気に変換された後、どのように伝送されるか、走査線とフレームの関係について触れた後、輝度信号と色差信号について詳しく説明して頂いた。
講師:出口 忠夫 氏【第2部】映像のデジタル化 映像の圧縮と画質の関係
第2部は映像のデジタル化について、A/D変換、符号化、デジタル化の利点と問題点について触れて頂いた。その後、圧縮技術に関しては、動き補償、DCT変換、量子化、可変長符号化について、原理に立ち返って簡易な言葉で説明して頂いた。
特にDCT変換技術に関しては、画素を小ブロックに分けブロックごとの標本値をどのような演算でデータ縮減していくか、を実際の数値変換のプロセスを提示しつつ説明して頂いた。また、可変長符号化についても実際のデータ列がどのように圧縮データに置き換え
られて行くかを変換例を示しながら、絵柄による圧縮率の違いを含め説明して頂いた。
最後にMPEG規格の変遷と地上波デジタル放送とBSデジタル放送の圧縮率の違いにも触れて頂いた。
会場の様子