2017年度 映像プロセス部会 第54回特別セミナー「映像制作の原点と2020年に向けてのトレンド」報告

「映像制作の原点と2020年に向けてのトレンド」

日 時 7月14日(金)14時~18時

会 場 富士フイルム㈱ 西麻布本社

参加者 108名

 

志田 友昭 副部会長((株)ヨコシネディーアイエー)の総合司会のもと、塩田 敏広 部会長(東映ラボ・テック(株))による開会挨拶が行われ、セミナーに入った。

【第1部】

高解像度時代に考える、映画の適正解像度とは何か ~人に与える映像の印象は解像度より階調にある~

講師:会田 正裕 氏 撮影監督

(株)アップサイド 専務取締役 兼 映像本部長

映像を構成する要素である「高解像」「高階調」「高色域」についての考察を通して、作品や視聴環境に合わせた適正解像度や階調とは何かを、撮影監督としての視点でご講演いただいた。
講演中には、参考画像を会場の大スクリーンに上映し、参加者の皆様には会場内を移動しながら見ていただくことで、スクリーンとの距離や画像のコントラストの変化により、解像度の印象が変わっていくという興味深い実験も行なわれ大好評であった。

▲講演の様子
当日は沢山の方にご来場頂いた。メモをとる方、資料を熟読する方も多く、各部で関心の高さが伺えた。
【第2部】

映画興行市場の最新トレンドと技術動向

講師:川上 一郎 氏

デジタルルックラボ 代表

第1部とは打って変わり、ビジネス的な見地から映像業界の動向、とくに欧米や中国における映像マーケットの最新情報の報告がなされた。
具体的には、ネットによる脚本募集や脚本売り込みの最新トレンドから始まり、レーザープロジェクターやLEDスクリーンの動向、VPF終了後のデジタルシネマの予測、またハリウッドにおけるVR/ARの応用事例の紹介、ワールドワイドの経済状況と映画市場の関係性など多岐に渡った。いずれも一般には収集が困難な情報ばかりであり、第1部同様に参加者の強い関心を集めた。

また第2部の質疑応答には、第1部の会田正裕氏も壇上に同席いただき、参加者からの質問、会田氏からの川上氏への質問など、興味深い意見交換がなされた。

閉会後も各講師への個別の質疑、意見交換が続き、今回のテーマに対する参加者の皆様の並々ならない熱気が伝わってきたセミナーであった。

今回の開催にあたり、ご多忙の中、ご講演をいただきました講師の皆様、会場提供のご協力をいただきました富士フイルム(株)様にこの場をお借りし御礼申し上げます。

副部会長:竹谷 卓郎(IMAGICA)

▲第2部終了後の質疑応答
左:会田 正裕 氏、右:川上 一郎 氏
お二人の軽快なトークは楽しく、勉強にもなった。