映像プロセス部会 第51回特別部会報告
日時:2014年6月26日(木) 15:00~17:40
会場:箱根 ホテルおかだ 本館8F 富士の間
参加者:40名宮城直史副部会長(コダック)の総合司会のもと、下記の通り行われた。
1.2013年度活動報告と2014年度活動報告 岸本部会長より、第50回特別部会他、昨年度の活動報告があり、続いて今年度の新運営委員の紹介があった。 部会長に岸本義幸氏(東京現像所)が留任。副部会長は、宮城直史氏、平野浩司氏(富士フイルム)が留任し、新たに塩田敏広氏(東映デジタルラボ)が就任し、副部会長は3名体制となった。運営委員は、新運営委員3名を含め、23名の運営委員にて活動することが報告された。最後に、今年度の主な活動報告として、特別部会に加え2回程度、タイムリーなテーマで研究会・見学会を開催することが報告された。基調講演
1) 始まった4K試験放送~NextTV-F(フォーラム)の最新動向について
講師:元橋圭哉氏(次世代放送推進フォーラム事務局長)
次世代放送推進フォーラムは、通称NextTV-F として知られている。目的は、「4K/8K・スマートテレビ等の次世代放送サービスを早期に実現するために、送信・受信に関する規定や仕様の検討、実証、及び試行的な放送等を行い、放送サービスの高度化を促進し、利用者の利便性の向上に寄与する。」ことで、2013年5月に設立された。
設立時は、映像機器メーカー・放送局中心に21社から始まり、現在は64社がメンバーとなっている。 6月2日にCSデジタル放送で4K放送を開始した。また、6月18日には、丸の内でWカップの日本×コートジボワール戦の4K試験放送を行った。4K衛星放送用チューナーも6月から発売され、提供メーカーも増えつつある。4K番組制作上の主な課題は、4K画質を活かせるようなレンズ・カメラの更なる高性能化、データ転送やデータ変換の高速化、記録メモリーの大容量・低コスト化等が上げられると説明があった。また、現在は、4Kで先行しているデジタルシネマのワークフローに最適化された撮影・ポスプロが主流だが、普及のためには、4Kの魅力を生かしつつ、テレビ的な手法に対応した機材・システムの量産や低コスト化が望まれると指摘された。
4K,8Kは手段であり、4K,8Kで新しい映像文化をどのように作っていくか、また、最先端の技術をどのように開発して貢献していくのかが重要であることを強調されて、元橋氏の講演は好評に終了した。2) 第2世代のデジタルシネマ
講師:川上一郎氏(デジタル・ルック・ラボ)
全世界のデジタルスクリーン化は進んでおり、アメリカはフィルム配給が停止し、欧州も今年中にフィルム配給が停止となる見込みから、フィルムスクリーンの存続は厳しくなってきている。第2世代のデジタルシネマの話題として、トレーラー型デジタルシネマを紹介したい。移動式ながら本格的な映画鑑賞を提供でき、封切作品の宣伝活動に有効で、移動式カンファレンスルーム等の新しい活用も期待できる。また、レーザー光源を搭載した4Kプロジェクターの設置が米国で始まりつつあり、大スクリーン化やランプ交換不要のメリットがあり、今後の動向を注視したいと話された。映画館の生き残り戦略として、米国ではレストラン機能を持った映画館が出てきている。配給面として、米国ではハードディスクに代わり衛星配信が始まっており、この動きは欧州でも展開しつつある。
また、デジタルシネマの問題点として、初期のVPFスキームで投入された1.3kや2Kの機器の更新では、内部の伝送帯域から来る制約があり、今後の設備更新が複雑になる可能性があると話し、興味深い話が続き、川上氏の講演は好評に終了した。3) パネルディスカッション 「ここだから話せる4Kワークフロー」
ナビゲーター:川上一郎氏(デジタル・ルック・ラボ)
パネラー :石塚悟氏(オムニバス・ジャパン)、塩田敏広氏(東映ラボテック)、諏佐佳紀氏(ソニーPCL)、 高野光啓氏(IMAGICA)、高宮 大氏(ヨコシネディーアイエー)、西野克治氏(東京現像所)
川上氏がナビゲーターを務め、現場の声からの4Kワークフローの現状と今後の展開について、活発な議論が行われ、会場は大いに盛り上がった。4) 製品紹介
アストロデザイン、クォンテル、計測技術研究所、ビデオサービス、フォトロン(敬称略)より、4Kを中心とした製品の紹介があった。5) 協会報告
掛田常任理事から、下記の通り報告があった。
①協会は創立67年目に入り、6月5日に第67回通常総会を開催し無事に終了した。その後、第1回定例理事会を開催し、新会長にキヤノンマーケティングジャパン(株) 代表取締役会長の村瀬治男氏が就任された。また大前事務局長が6月15日をもって退任され、新事務局長に元ソニーPCLの社長、毛塚善文氏が就任された。理事分掌も決まり新体制でスタートし、詳細はホームページに掲載する旨、報告された。
②MPTE AWARDS 2014について
東京国際映画祭と同時開催をしている協会の表彰式は、今年も引き続き東京国際映画祭期間中の10月28日(火)六本木アカデミーヒルズ49Fで開催される。5月より、「技術開発賞」「映像技術賞」個人賞の審査を行っており、7月の理事会で承認予定である。
③MPTE CUP 2014について
7月18日(金)戸塚CCにて、村瀬会長主催で親睦ゴルフコンペを開催予定。(副部会長: 平野浩司(富士フイルム))