「保存用DCP、DSMのデジタル記録票における 推奨項目と表記例」について
映像プロセス部会の2015年度の活動の一つとして、「保存用DCP、DSMのデジタル記録票における推奨項目と表記例」を作成しました。下記よりダウンロード頂きご活用ください。
【保存用DCP、DSMのデジタル記録票における推奨項目と表記例 参照ファイル】
経緯
ことのきっかけは、2015年4月22日に開催したMPTE第18回勉強会 「待ったなし!ボーンデジタルの映画保存」での質疑応答で参加者からの「各ラボ、ポスプロのデジタルメデイア記録票は統一できないのか?」の問い掛けだった。
映像プロセス部会としても、ラボ、ポスプロにより表記項目の違いや、コンテンツのジャンルによるバリエーションがあることは認識しており、コンテンツ関係者が扱いやすい表記例を提示することが状況の改善に繋がると考え、映像プロセス部会に参加する各ラボ、ポスプロから代表者を選出し、「デジタルメディア記録票標準化ワーキンググループ」を立ち上げた。
前記のようにコンテンツのジャンルによって必要な項目が変わるので、まずは映画作品に絞った記録票の推奨項目を作成することに方針を決めた。
また今回は保存用メディアを対象とし、劇場流通用DCPの表示ラベルは対象外とした。
まずは各社が運用する記録票を持ち寄り、必要最低限の項目をリストアップし、それに加えて、この記録票を最も利用するであろうコンテンツホルダーの要望も反映させるべく、コンテンツホルダーへのヒアリングを実施した。
このヒアリングを通して、やはりラボやポスプロ側からはなかなか発想できないポイントも教示していただいた。
たとえば、上映画郭の表記については、ポスプロ側としては正確を期すために数値表記するが、コンテンツホルダーとしては、「ビスタ」や「シネスコ」など通称でやり取りされる場合が多いため、数値に通称を併記するほうが望ましいとした。
また、最近は従来のラボやポスプロ以外からもコンテンツが入荷するようになり、最悪の場合は何も表記されていないHDDが入荷され、コンテンツホルダーとして困る場面もあったとのこと。
そのような場合は協会のHPにサンプルがあることを案内できれば、状況の改善が見込めるであろうと期待を寄せられている。
この「保存用DCP、DSMのデジタル記録票における推奨項目と表記例」は、あくまでも推奨の表記例なので強制力は無いが、ポスプロによる表記のばらつきを最小限にし、ポスプロ以外の担当者が見てもわかりやすく、情報が正確に伝わることを目標として作成した。
今後のコンテンツの効率的かつ安全な運用にご活用いただきたい。この度の記録票作成にあたり、ご協力を頂きましたコンテンツホルダーの株式会社KADOKAWA様、株式会社松竹映像センター様、東映株式会社様、東宝株式会社様、日活株式会社様、他関係各位にこの場をお借りして御礼申し上げます。
日本映画テレビ技術協会 映像プロセス部会
デジタルメディア記録票標準化ワーキンググループ