MPTE第28回勉強会報告
日 時: 2016年10月12日(水) 13:00~17:30
会 場: 株式会社 毎日放送 M館(本館)1階 ちゃぷらステージ
参加者: 105名
【勉強会の概要と結果】
※動画を視聴するには会員用のIDとパスワードが必要です。
①開会の挨拶
大阪支部 波多間 博 支部長
大阪支部での勉強会開催は6月に続き2回目となる。今回はリオ・オリンピックの話題も取り上げられるが、 2020年の東京開催に向けて、本日は基礎的な内容を含め勉強して頂き、将来の活動に役立てて欲しい。
大阪支部長 波多間 博 氏②『Video over IPについて』
講師:株式会社 朋栄 研究開発・製造統括本部
取締役 IP開発部部長 和田 雅徳 (わだまさのり)氏冒頭、12G-SDIインターフェースについて必要性と課題に触れて頂いた後、3G-SDIとの共存についても説明して頂いた。その後は12G-SDI対応のルーティングスイッチャーを含むシステム構築を紹介頂いた後、本題である今何故Video over IPなのかに関し、圧縮/非圧縮、UHDなど各方式への対応、IPTV、スマホなど多メディア対応、クラウドサービスへの移行を見据えたセントラル化への対応などの観点からお話をいただいた。また、IPシステムの構築例や各社の方式比較も紹介していただいた。
講師:和田 雅範 氏
会場の様子③ライブ制作に於ける技術動向について
講師:パナソニック株式会社 AVCネットワークス社
イメージネットワーク事業部 技術部門
商品設計部 部長 塩崎 光雄(しおざきみつお)氏4K/8Kロードマップが敷かれた中で、送り手側の放送設備はどのように構築したらよいか、ベースバンドのSDIか、ネットワークのMoIP(Media over IP)か、4Kスタジオシステム構築の考え方についてお話を伺った。運用における遅延許容範囲と伝送方式を配慮した上での局内伝送インフラ構築が必要なこと。また、4K伝送方式に関しては、12G-SDIか3G-SDI(TICO)か、また12G-SDI商品の開発動向についてもお話を伺った。HDRライブ運用の考え方に関しては、HDRの規格とワークフローについて触れた後、HDRとSDR素材の混在に対してどのように対処するか、サイマル運用例についても触れていただいた。その後、8Kレコーダーと360°カメラの商品紹介と 全方位カメラのデモ映像と今後の応用範囲について紹介していただいた。
講師:塩崎 光雄 氏
講演の様子④リオデジャネイロ・オリンピックに於ける8K国際配信信号制作
講師:池上通信機株式会社 マーケティング本部
主査 今成 歩(いまなりあゆむ)氏リオデジャネイロオリンピックで活躍した世界初の8K中継車SHC-1を紹介頂いた。同中継車は開会式と水泳、バスケットボールを担当した。同型の中継車はSonyも製作し、柔道と陸上競技、男子サッカー決勝、閉会式を担当した。システムの特徴としては、映像は8K Dual Green方式(24G)、4K Square Division方式。音声は音声中継車からの22.2chにダウンコンした5.1chにステレオを加えた32chを伝送。MADI信号を使用したシステムで64ch MONOとして扱った。
次に、各会場でのカメラポジション、8Kカメラの特徴、システム系統全体構成、ビューファインダーによるフォーカシング・フォーカシングアシストについて説明して頂いた。その後、国際放送センター(IBC)で8K/4K信号制作/配信もOBS(Olympic Broadcasting Services)扱いとなったことから、8KのマスターコントロールもIBC内に設置されたことが紹介された。また、HDRの撮影も行われたこと等も紹介された。最後は東京五輪に向けて、オールジャパンで結集し、日本の技術力で世界に貢献したい、と締められた。
講師: 今成 歩 氏
講演の様子勉強会全体について
【講演の感想】
- 国際放送などの話も興味がありましたので、リオの話も聞くことができ、2020年に向けて大変参考になった。動画配給も参加できなかった者向けに今後も可能な範囲でお願いしたい。
- いろいろな情報が聞けて参考になりました。
- どうもありがとうございました。いい勉強になりました。
- 朋栄さんの資料もあったらよかったと思います。
- Video over IPは、時間が短かった。もっと詳しいところを聞きたかった。
- 第1部のパワポ資料を頂けたら嬉しく思います。
- 第3部も一部資料にない部分もありましたので、その部分も頂けたらと思います。
【当協会に期待される勉強会やセミナー】
- また映画監督さんや世界で活躍されている方のお話を聞きたいです。
- 今回のように、放送技術の未来を学べる機会を作っていただきたいです。
- 今後もメーカーや各局の動向を伝えるようなセミナーを開催していただきたいと思います。
- 若い人や今さら聞けない的な人への解りやすい技術セミナーの開催。
- オンライン・ファイルベースのシステムについて。
- VFXの現場(プリプロとポスプロ)についてのセミナー・勉強会があればと思います。
出席者:105名 アンケート回答者:72名(回収率 69%)