北海道支部 映像勉強会 報告
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開催日:2024年11月8日(金)
時 間:19:00~
会 場:かでる2・7 1040会議室
札幌市中央区北2条西7丁目北海道支部は、2024年11月8日に札幌のかでる27で映像勉強会を開催した。今回はNHKでカメラマンとして活躍された井上哲二さんを講師に迎え、井上さんが撮影を担当し1997年に初回放送された、ドキュメンタリー番組「汽笛が響いた街夕張」をスクリーン上映し撮影した当時の心情や、撮影機材として登場したばかりの、アナログハイビジョン取材の方法などを語った。
井上哲二さん略歴
1959年北海道旭川生まれ、1983年日本放送協会に入局
制作業務局撮影部でカメラマンとなる、名古屋、札幌、東京などに異動となり様々な番組を制作、2016年現在のNHKテクノロジーズ所属となり2024年10月末で退職。会場の様子会場には20名ほどの、カメラマンやディレクターなどが集まり48分の番組を鑑賞した。会場からは、「今では感じられないリアルがあり、知っている夕張より古い映像なのに、不思議と新鮮さが伝わってきた」など感想が語られた。
井上さんからは撮影機材の紹介があり、取材に使用したアナログハイビジョンカメラは一体型ではなく、SDのファインダーでピントが分かりにくく、とても苦労したことや太く重たいケーブルで繋がっている、VTRだけでも20㎏あった、バッテリーも重く2個使用で4㎏、この状態で20分持たなかった、バッテリーは6セット用意したが昼には無くなっていた様子や、ケーブルの長さの兼ね合いがあり、今のように簡単に撮影位置を変えられなかった事や、感度が低いカメラだったので照明の使用が欠かせなかったなど、撮影秘話が語られた。会場からの質問に井上さんが答えた。
「アナログハイビジョンが出た時の感覚だと一番考えたのは4:3の画角から16:9の画角になった事だと思う、当時はサイマル放送もあったので皆さん苦労したと思います、思いのほか高画質の意識は少なかったと思う」と当時の心境を披露した。熱心に語る井上さん16ミリフィルム制作、SD、HV、SHVとカメラマン人生を続けている井上さんが話してくれた。
「機材的なハードルが下がっている分、今のカメラマンは大変だと思う。ちゃんとしたカメラマンが撮影しているからこそ、良い映像が生まれる事を証明し続ける事が今後も大切だと思う」と今の思いを伝えてくれた。(北海道支部:中野修一)