大阪支部 第3回基礎技術セミナー報告
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大阪支部では、経験が1~3年程度のフレッシュな技術者を対象として、今年度も「基礎技術セミナー」を下記の通り開催した。
日時 :2017年6月26日(月)
場所 :毎日放送本社 ちゃぷらステージ
参加人数:178名 -
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① 「テレビ局制作現場の映像技術」
帆足 聡一郎氏(関西テレビ放送株式会社)
映像技術の基礎について、スタジオから中継の現場、そしてドラマ制作や4K制作に至るまで、広範囲かつ丁寧にご説明いただいた。 特にセミナー会場の大型画面にカメラの画とWFM波形を同時表示し、CCUのパラメータを触って画のトーンを変化させながら、 人間は画からどのような印象を持つのかを実演されるなど、パワポや文章だけではない解説が大変好評であった。
帆足 聡一郎氏(関西テレビ放送株式会社)② 「音声信号の基礎~アナログ音声からハイレゾ音声まで~」
和三 晃章氏(朝日放送株式会社)
音声波形の基礎からマイク・スピーカー、音声信号の伝送や各単位について、そしてさらにはデジタル信号やハイレゾ音声に至るまで、この講義さえ聞けばひととおりの音声の基礎知識が習得できる内容であった。音声の基礎が多岐にわたることを実感するとともに、これらをきっちり理解することは全ての技術者にとって非常に重要であることを改めて実感した。
和三 晃章氏(朝日放送株式会社)③ 「リアルタイムとポスト処理を併用した3DCG制作の基礎と応用」
竹内 淳氏(株式会社アイネックス)
日々発展を続けるCGの現場であるが、今でも全てをリアルタイム処理することには無理がある。そのため、プリレンダリングとリアルタイムレンダリングをいかに組み合わせて最適な効果を得ているのか、実例を交えながら解りやすく解説いただいた。また、CGにおける最近のトレンドについても知ることができ、専門的に担当していない者にもCGへの理解が深まった。
竹内 淳氏(株式会社アイネックス)④ 「ドキュメンタリー映像の文法と番組制作の最新動向について」
高岡 英幸氏(日本放送協会)
ドキュメンタリーにおける映像の文法や、映像を構成する要素、さらにはそれらの要素技術について懇切丁寧に分析・解説され、ドキュメンタリー分野に限らず全ての映像制作者・技術者に大いに役立つ内容であった。終盤には機材の進化や最新動向、そしてそれらの動きをふまえて今後我々はどうしていくべきなのかということも提起いただいた。
高岡 英幸氏(日本放送協会)今回も受講者は協会加盟社の若手スタッフが多く、このセミナーの開催目的と合致していたことは、大変喜ばしく思っている。
その一方で、映像と音声の基礎技術については、もっと講義の時間を長くとる必要があると感じた。来年度以降はこの点の改善を図りたい。最後に、各講師様の丁寧かつ判りやすい講義により、今回も受講者の満足度が大変高いセミナーとなったことを、この紙面を借りて深く感謝申し上げます。
大阪支部・理事 吉田恭一(毎日放送)